これまで当社の柑橘香シリーズの甲州ぶどうは完熟時期ではなく、2週間程早く収穫しておりました。それは「甲州種の柑橘香(の元となる前駆体含量)は、早期収穫時が高濃度である」という研究結果があるためです。
一方で本ワインの甲州種はシーズン終盤に収穫された遅摘みぶどうを用いております。
本来であれば「遅摘みでは柑橘香の発現可能性は低い」と考えられますが、収穫された葡萄の表情を見ると、果皮の色は濃すぎず、淡く輝き、完熟よりもむしろ早摘みした時のような色調を呈していました。そこで柑橘香仕込みを試みたところ、他の柑橘香シリーズと同系統の豊潤な香りが醸し出されました。
特殊な甲州であるがゆえに、豊かな柑橘類の香りと、遅摘みならではの丸みを帯びた味わいが両立した「柑橘香 穂坂甲州」を是非お楽しみください。